MILANO SALONE 2009 REPORT

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“ファッション=まち・みせ・ひとの トレンドが最も早い段階で現象化すること”  から見たミラノサローネの魅力とは?

街をあげてのデザインイベントであるミラノサローネ(以下、サローネ)は、デザイン業界にかかわらず、ファッション業界からも熱い視線が集まっていることは言うまでもない。
なぜなら、ファッションをファッションだけで語ることが難しくなり、デザインという広い視野から俯瞰することが求められているから――。
そして、これはクルマや家電など他業界にとっても、まったく同様のこと。
業界の枠組みを超えたデザインイベントは、サローネに限らず「デザイナーズウィーク」や「デザインタイド」など、日本国内でも脚光を浴びるようになっている。

ただ、私にとってのサローネは、生まれて初めて訪れる場――「意外だけど、そうだったの?」と友人・知人から心配されたが、好奇心が強くてミーハーな性格だけに、この話をいただいた時から、気分は高揚しっぱなしだった。
しかし、初めてなのだから、経年変化や趨勢を語ることができない上に、デザインやアートの専門性がない私が、的確な分析・評価をするというのは、所詮無理なこと。

そこで今回は、主に以下の二点から、私なりの視点でサローネを見ることにした。

ひとつは、25年にわたって続けてきた“まち・みせ・ひとのトレンドが最も早い段階で現象化すること=ファッション”という視点だ。この文脈において、“素の状態で見たサローネの有り様”について、感じたことを綴ってみたい。

もうひとつは、“日本のデザイン”に対する世界からの眼差しだ。

私の仕事の中では、TOKYOの消費トレンドについて講演する機会が多いのだが、10年くらい前から、日本国内に加えてヨーロッパからの依頼が増えてきた。
招聘されて話してみると、関心が高く反応もいい。日本のデザインに対する評価が上がっている様子に、微かな誇りを抱いてきたのである。
だから今回のサローネでも、日本のデザインを世界がどう見ているかを、しっかり受け止めようと思ったのである。

一方、世界同時恐慌と言える中、日本企業として出展しているところを、きちんと取り上げようと考えた。逆風下であえて出展するということは、それだけ核心を持ったものを出しているに違いない。
その本質部分をしっかり聞いて、私なりの視点で伝えることは、微力ながらも“元気の素”になるのではないかと思ったのである。

そして最後は、やはりファッション。デザインイベントだけに、ストリートを歩いている人、出展している人、サローネを訪れている人が、どんな装いでいるのか。そこにサローネというイベントと関連して言えることがあるのかどうか――ミーハーな視点から観察することにした。

以上のように、いくつかの目的をもとに綴ったのが、私のサローネレポートである。

Profile | プロフィール

川島 蓉子<かわしま ようこ>

1961年新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科終了。1984年、伊藤忠ファッションシステム株式会社入社。ファッションという視点で消費者や市場の動向を分析している。Gマーク審査委員。
読売新聞で「マイスタイル」という週刊コラムを連載。その他、MJ、繊研新聞、朝日新聞、ブレーンなどに定期的に寄稿。著書に「おしゃれ消費ターゲット」(幻冬舎)、「TOKYO消費トレンド」(PHP)、「ビームス戦略」(PHP)、「伊勢丹な人々」(日本経済新聞社)、「松下のデザイン戦略」(PHP)、「上質生活のすすめ」(マガジンハウス)、「ブランドのデザイン」(弘文堂)、「TOKYOファッションビル」(日本経済新聞社)、「資生堂ブランド」(アスペクト)、「フランフランの法則」(東洋経済新報社)、「川島屋百貨店」(ポプラ社)、「虎屋ブランド物語」(東洋経済新報社)、「イッセイミヤケのルール」(日本経済新聞社)などがある。

原久子のMILANO SALONE 2009