注目! パナソニック電工 「モディファイ」 声高に存在を主張するのではなく、 さりげなく馴染み、佇んでくれる高度なデザイン

ラファエロの「聖母の婚礼」など名品の数々をコレクションするブレラ美術館のお膝元であるブレラ地区は、洒落たブティックやレストランなどが立ち並ぶ、地元でもアンテナを高く張っているこだわり屋さんたちに支持される人気のエリアだ。ミラノに着いてまずイの一番に訪れたのがこの地区にあるパナソニック電工の(standard)3-relax会場だった。
往来の多い石畳の歩行者専用の小径を少し歩くとやわらかい光に満ちた場所が目に飛び込んでくる。手のひらに載るほどよいサイズのまんまるの雪洞(ぼんぼり)のような照明具「SPHERE」が、目線より下の高さから次第に奥へと入るほど高くなり、天井下まで傾斜を描くように等間隔に並んでいる。球体の全貌を、エントランスを抜けるまでの間に、どの位置からも確認できる工夫がなされた展示構成だ。新作MODIFYの3つのタイプのなかには、スタンド型・ペンダント型、白色・黒色などバラエティに富んでいるが、同型の9基ずつが正方形のグリッドを空間に描きながら灯っている。複数種がひとつの空間に、高さに変化を持たせて設置されているにも関わらずバランスを保っている。白黒のシェードが3次元に碁盤立ち上がったようにも見え、凛とした空気を作っていた。


 

さらに進んでいくと、吹き抜けになった天井が高く、壁面をダークな色で覆った部屋があり、ここには照明だけでなく、スペイン出身のパトリシア・ウルキオラ氏デザインによる美しいラインのリラクゼーションラウンジャーがゆったりと置かれている。いま家庭照明としても注目のLEDを使った照明を中心にした構成で、落ち着いたリラックスできる空間を作り出していた。 大きくは3つのコーナーになっているが、しっかりと基本に従ったシンプルな構成で、ぶれない安定感を持たせたこの会場構成はイタリア人建築家マルティノ・ベルギンツ氏が担当。洗練された現代的な雰囲気が漂うなかにも日本的な和の心が息づき、テーマの「リラックス」を表現していた。

デザイン性にもすぐれたこのイスは、ゆりかごの揺らぎと音楽によって、新しいリラックス感を提供してくれる。リラックスしながらも、新しい感性が刺激される逸品。


 

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パナソニック電工・岡井理恵氏

「出展ブースのポイント」
パナソニック電工・岡井理恵氏

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Profile | プロフィール

原 久子<はら ひさこ>

アートプロデューサー、ライター、編集者、研究者として関西を拠点に、国内外で気鋭のアーティストたちの紹介やプロデュース、コンサルティングにつとめる。「AERA」「美術手帖」「ARTiT」「STUDIO VOICE」他の新聞、雑誌、ウェブサイトにおいて美術・デザイン関連記事を執筆。「Off- Side」展(02年・graf media gm、横浜美術館アートギャラリー)「六本木クロッシング」展(04年・森美術館)、「Lab☆Motion」展(07年・トーキョーワンダーサイト本郷)、「都市のディオラマ Between Site & Space」(08年・トーキョーワンダーサイト渋谷、09 年ARTSPACEシドニー)などの企画運営の他、美術館等での講演会、シンポジウム、ワークショップの企画コーディネートなど幅広く創造環境のサポートを行なう。共編著『変貌する美術館』(昭和堂)他。大阪電気通信大学総合情報学部教授。

川島蓉子のMILANO SALONE 2009