今年は国際家具見本市、国際インテリア小物見本市、国際照明機器見本市、サテリテがミラノ郊外のロー市見本市会場で開かれたが、来年は国際キッチン見本市、バス・トイレタリー見本市、オフィス見本市が開催される。住宅設備関係は隔年での展示となる。毎年この大イベントをオーガナイズする側の持久力にも驚く。その展示の量と質を確保するための予算のかけ方に目を見張る。いわゆる見本市のような仮設で組み立てたブースを作るのではなく、たった6日間の展示のために、しっかりとした建物と言えるような構築物を造り込んでいるのだ。
サローネ期間中にミラノに世界中から訪れるのは、バイヤーだけではない。出品する著名な建築家やデザイナー、次代を担う若手たち、新しいトレンドを伝えようと取材に来るジャーナリスト。もちろん勉強中の学生も然りだ。
作品を前に直につくり手側から言葉が聞けるというタイミングはそう多くはない。生活のなかで日々利用するものなので、実際に見て触れて体験しなければ、評価を下すことは難しく、量的にも質的にも世界から先端デザインが集まるこの6日間に合わせてサローネを訪れることの意味は大きい。人気デザイナーを起用するなどした注目の作品や企業の会場では、オープン前のプレビューから取材が立て続けに予定されている。
バイヤーや取材する側にとっても、ミラノというひとつの街にいて、世界各国の事情をチェックできるというのは魅力的だ。各国を移動、滞在しながらそれぞれの企業やデザイナーの仕事を見て回るとなるとたいへんな経費と時間を要する。逆に出展側から言っても、世界中からバイヤーやジャーナリストがやってくるこのミラノサローネの魅力は大きい。方々に展示会を巡回させなくても、ミラノ一箇所に照準を合わせればいい。各社しのぎを削ってこの檜舞台に資本投下するのは、ここでの評価が世界での、そして自国での評価に直結しているということを知っているからだろう。そして、意欲的に成功を目指す若手は、ここで認められ、多くの人に観てもらい、世界にネットワークを作ることで、飛躍のチャンスをつかもうとしてやってくる。
オープニング当日には関係者がどっと集まるので、雑誌で見たあの有名デザイナーに会えるかもしれないわけだ。ミーハー的な視点で考えれば、憧れのデザイナーのオーラを確かめることが出来るというのも魅力であろう。
そして、やはりミラノという街自体の魅力もサローネの付加価値を上げている。見本市の本会場であるロー市はミラノに隣接しており、市外といっても地下鉄で移動すれば東京都内の移動を考えればお隣の区に行くぐらいの距離だ。街のサイズ、歴史を感じされる町並み、空間の面白さ、美味しい食事にワインがそろっていると、それはもう会話も弾む。開催される季節も新緑の美しい4月下旬とくれば、何を置いてもここに足が向いてしまうわけだ。世界に発信してゆくパワーとエネルギーとインフラが整っているのがミラノサローネと言えよう。















